チェコ料理中央ヨーロッパにおける昔の食生活の伝統の流れを汲んでいます。チェコ人の祖先たちは、その土地で育て飼育した食料に依存していました。料理方法や原材料の大きな変化は19世紀から20世紀にかけて起こりました。ジャガイモの栽培が進んだことで、ライ麦全粒粉のパンと並び主食となりました。また、成長していく各地の町で商店が発展したことも関係しています。20世紀の後半、チェコ料理は共産主義独裁体制下におかれました(1948年~1989年)。レストランや居酒屋は国有化され、料理業界においてレシピやルールは統合されました。それはとりわけ、チェコ人の献立や食生活の慣習に悪い影響を及ぼしました。1990年代にチェコは再び民主主義のヨーロッパの一国に戻り、それはグルメの世界も同じでした。食事のレパートリーはより多様となり、色々な食生活の情報が入るようになると、人々はより健康的な食生活を送ろうと努めました。このガイドブックでは皆さんに、チェコの料理は何が特徴的か、チェコ人は何を好んで食べるかを紹介したいと思います。基本的に1日の主食は3つです。朝食は大体色々な種類のパンにバター、チーズ、燻製肉、ジャムまたは蜂蜜を添えて食べます。よく飲まれるのはコーヒーやお茶(紅茶、フルーツティー、ハーブティーなど)です。昼食は、二、三品で構成されることが多いです。スープ、メインディッシュと付け合わせで、定番は肉料理と付け合わせの組み合わせです。三品目は甘いデザートです。夕食はメイン一品で、冷たい食事のこともあります。午後のおやつにはコーヒーと甘い焼き菓子がよく食べられます。全体としては、チェコ人はかなりの量の肉を消費すると言えるでしょう。特に豚肉、家禽肉、牛肉が多いです。主食の付け合わせとしては、有名なクネドリーキ(ゆでパン、p.37)やジャガイモが多く、米やパスタは少なめです。近年ではフライドポテト、ハンバーガーといったファストフードグルメも人気です。豆知識 一般的にチェコでは魚、豆、野菜はあまり消費されませんが、最近の健康志向のトレンドによって変わりつつあります。ヴェプショ・クネドロ・ゼロ (Vepřo knedlo zelo)2
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